発達障がいは「できるだけ早期に発達支援を行うことが特に重要」と言われます。早期に適切な療育を受ければ、健全に発達して自立生活を送る事が可能です。そればかりか、集中力が高い、行動力がある、努力を継続できるなどの長所を生かして、「天才」と呼ばれるような成功を収める人たちもいます。
一方で早期介入を怠ると言葉や社会性の発達が遅れるばかりか、虐待・いじめ・不登校・引きこもり等の社会問題の発生要因となります。周囲の配慮の無さから、ちょっとした苦手さを指摘され続けることで、自己肯定感を奪われ、輝かしい才能を花開かせる可能性を摘まれてしまいます。
国の調査では、子どもの6.5%に発達障がいの可能性があります。幼児だけで約30万人の計算です。解決の鍵は『早期発見』と『早期療育』ですが、支援が届いている幼児は少ないのが現状です。
本講演の前半では、現在の社会の問題点を明らかにし、当NPOの取り組みを説明します。後半ではワークショップを行い、社会をよくするためにできることを一緒に考えたいと思います。
「世界を変える天才が生まれる社会」を目指して、日本の社会をどう変える?
■小田知宏(NPO法人発達わんぱく会理事長)
愛知県出身、39歳。社会福祉士、保育士。東京大学経済学部卒。学生時代に家庭教師派遣会社を経営するもうまくいかず、ビジネスの基礎を学ぶために株式会社丸紅に勤務。将来起業する分野を福祉に決め、株式会社コムスンに入社。高齢者と障がい者の介護に携わる。9年間勤務したのち会社の廃業に伴い、情報機器販売のスターティア株式会社に勤める。しかし福祉業界から離れることで障がい福祉の魅力を再認識し,2010年にNPO法人発達わんぱく会を設立し理事長に就任。「こころとことばの教室こっこ」を千葉県浦安市3カ所、東京都江戸川区1カ所で運営している。現在約50名のスタッフで、約250名の発達障がいの幼児に対して、オーダーメイドの療育を提供している。千葉県浦安市在住、2児の父。
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