去る2016年5月、フランス国境沿いのピレネー山脈麓にあるサンジャン・ピ・エ・ド・ポーからスタートし西へ約800km、スペイン/ガリシア州にあるサンチャゴ・デ・コンポステーラまでの「星の道」と呼ばれるサンチャゴ巡礼路へ、26日間かけた撮影行に向かいました。その6ヶ月後、日本の和歌山県/熊野にある滝沢王子から東へ約40km熊野古道・中辺路を熊野本宮大社までゆっくりと3日間かけて歩きました。
洋の東西、大陸の端と端、宗教的信仰的違いも地理的気候的違いもありながら、「道の世界遺産」として世界中から数多くの巡礼者/旅行者を魅了してやまない二つの「道」を歩いた移動の軌跡を通して、祈りや記憶の痕跡、西と東を越境するもの、そして宗教学者ミリチャ・エリアーデが提唱した天と地を繋ぐ通路とされる「世界軸(axis mundi)」とは一体何だったのか?撮影した写真を織り交ぜた旅の報告をガイドにみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
現代における「聖地巡礼」とは?
あらゆることが「資本」によって裏打ちされるネットワーク社会から(不完全であれ)一時的に逸脱することで「自己」の輪郭を再確認することはできるのか?
「歩く」ことから生まれる律動を指針に「自律」と「自立」にフォーカスしながら無意識を編み直し、自分自身の「現在地」を知る為の新たなる世界軸(axis mundi)を探求します。
■井島 健至(いじま たけし)
フォトグラファー。1974 年福岡県生まれ。
横浜市立大学国際文化学部を中退後、1999 年に渡米。ニューヨークに在住し、写真家の故宮本敬文氏に師事。
2003 年に帰国後、写真展「風と土 ~ primalgravity」を東京・丸の内にて開催。
広告や雑誌で活動すると同時に、ライフワークとして「祈り」と「記憶」の痕跡をテーマに旅と撮影を続けている。
書籍『ニッポン西遊記』(鶴田真由著)、『神結び 日本の聖地をめぐる旅』、『太陽と月の結び』(相川七瀬著)などにも作品を提供。
2015 年「懐かしき未来への旅 in 南砺」で第4回観光映像大賞特別賞を受賞。
最新刊に『スペインサンティアゴ巡礼の道 聖地をめざす旅』がある。
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