人工知能に関する過度な期待と不安がメディアを賑わせている昨今、そもそも「人工知能」というものが何であり、その限界と可能性が何処にあるのかに関する議論は、ほとんどなされていない。人工知能に関する研究は、人間の知能を模すことから始まったものであり、それを理解する為には、知能に関する理解、ひいては、知能を持つ生命に関する理解が不可欠である。
我々人間という生命は、60兆の細胞の奏でる生命のリズムの共創によって、一つの生命たる身体を形成する。こうした一つの身体は、共に存在する生命との共生によって「社会」を形成する。生命と身体、そして社会との豊かな関係性を知ることによってこそ、「知能」というものの役割が見え、現代の情報化社会において、情報技術と人間の知が共存在する未来を描くことができる。
本講演では、生命、そして人間という観点から人工知能を探ることで、現在の人工知能ブームにおいて喧伝される流言蜚語への適切な対応策を提示すると共に、これからの未来のあるべき姿についての提言を行う。
■松田 雄馬(博士(工学))
1982年9月3日生誕(ドラえもんと同じ誕生日)。徳島生まれ、大阪育ち。博士(工学)。2005年京都大学工学部地球工学科卒業。同大学在学中、中国北京大学に短期留学。2007年京都大学大学院情報学研究科数理工学専攻修士課程修了。同年日本電気株式会社(NEC)中央研究所に入所。MITメディアラボとの共同研究、ハチソン香港との共同研究に従事し、無線通信ネットワーク設計をインタラクティブに行う場の研究に着手。2008年、東北大学とのブレインウェア(脳型コンピュータ)に関する共同研究プロジェクトを立ち上げ、基礎研究に従事すると共に、海洋システムや航空システムをはじめとする社会実装に着手。2015年、情報処理学会にて、当該研究により優秀論文賞、最優秀プレゼンテーション賞を受賞。同年博士号取得。2016年、NECを退職し独立。2017年、合同会社アイキュベータを設立。著書「人工知能の哲学」(東海大学出版部)。
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